職場に話し出すと止まらない人がいる。
よくいる自分のことしか喋らない人ではない。
仕事の技術的な話がメインでちょっと教育の話もしてくれる。
ただ、やたら話す。
なぜそんなに話すのだろう、なぜそんなに話したいことがあるのだろう。
なぜそんなに色々なことがどんどん浮かぶんだろう。
そんなことを思ってしまうくらいに話す。
のど、乾かないのかな。
おじさんののどを心配する程度に、俺は集中していない。
けれど聞いていないわけじゃない。
そのくらいの聞かせ方ができるって逆にすごい。
逃げない程度に、集中しない程度に、聞かせ続ける。
すごい。
聞くのがしんどかったら適当に流して逃げるし。
話がおもしろいわけでもないし、
タメになるかというと、そうでもない。
タメになることもちょいちょい挟むけれど。
あと、ときたま思いやりを感じる部分もある。
そして、すごく優しい話し方をする。
そんで、すごく優しい声をしている。
ただ、話が長い。
「ああ、これはあの人に聞かないと分からないんだけど、あの人に聞くと二時間は使うからなあ笑」
これは、先輩のセリフである。
先輩も、同じなのか。
優秀な先輩たちが二時間も話に付き合ってしまう程度には、
やはりおじさんは話がうまいのか。
いや、うまいのか?
先輩たちが優しいのか?
もしやそのどっちもなのか?
でも、話したあと、特に何も残らない。
おじさんは何か残っているのかな。
せめておじさんには何か残っていて欲しいな。
話すことで、頭が整理された、とか。
たくさん話してスッキリした、とか。
あったらいいな。
話し出す前と特に変わった様子はないけれど。
もしかしてお互い、特に得るものはないのかな。
その時間、一体なんなんだ笑
でもお互い苦じゃない。
苦じゃないけどタメにもならない。
不思議な能力だ。
たまに影でめちゃくちゃにこき下ろされてるけれど。
助かるのが、適当に相槌を打つだけで話が進むこと。
大して興味がない話に意見を求められるの、しんどくてかなわないから。
どう思う、とか聞かれたり、
なんか言ってよ、みたいな間がないから楽。
ただひたすら相槌を打つロボットになればいい。
もはや俺じゃなくていい感じに相槌を打つロボットでもいい。
ただ、おじさんに相槌ロボットに話しかけさせるのはかわいそうだな。
そんなことが平気で出来る人にはなりたくないな。
ロボットじゃなくて意思のある壁ならまだいいかな。
ただの壁だとかわいそうだけど、意思があればなんか許されそう。
そしたら壁じゃなくてもいいか。もう俺でも先輩でもいいか。
以上
高橋央でした。
スポンサーリンク